銀行員だけが知っている「お金の増やし方」

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銀行員は、お金が大好きで、リスクが嫌いで、お金の増やし方にかけてはプロ中のプロです。銀行員がプライベートでどんなお金の増やし方をしているのか?あなたは知りたいと思いませんか。この記事では、元メガバンク銀行員の私や元同僚たちが実際におこなっているお金の増やし方を解説します。

第1章 銀行員のお金の増やし方〜準備編
お金を増やしたいならポイントカードはすべて捨てるべし
お金を増やしたいならクレジットカードは1枚しかいらない
お金を増やしたいなら「3つの財布」を使い分けるべし
お金を増やしたいなら毎日通帳記入するべし
第2章 銀行員のお金の増やし方〜お金を貯める編
3つの銀行口座で「自動的にお金を増やす流れ」をつくる
銀行員が自分で入る保険は3つだけ
第3章 銀行員のお金の増やし方〜お金を増やす編
定期預金ではお金は増やせない
個人投資家が株式投資でお金を増やすのは至難の業
投資信託はお金を増やす商品ではない?!
銀行員流のお金を増やす分散投資術とは
さいごに

 

第1章 銀行員のお金の増やし方〜準備編

お金を増やしたいならポイントカードはすべて捨てるべし

第1章 銀行員のお金の増やし方〜準備編

お金を増やしたいならポイントカードはすべて捨てるべし

お金の増やし方の基本はポイントカードをすべて捨てるあなたの財布は、いろんなお店のポイントカードでパンパンになっていませんか?銀行員は、ポイントカードを持ちません。ポイントカードで得するのはお客さんではなく、発行しているお店だということを知っているからです。

ポイントカードを発行すると、お店には次のようなメリットがあります。ひとつは「当店で買いものするとポイントが貯まってお得ですよ」と言ってお客様を囲いこめること。そして、お客さまの住所やメールアドレスなどの個人情報を得ることができ、ダイレクトメールを送ったりできることです。

もちろんお客の側にも、ポイントが貯まれば、割引きなどの特典を受けられたり、ポイント会員だけのサービスを受けられるなどのメリットがあります。これだけを考えると確かにお得です。しかし、ポイントが付くからといって必要ないものまで買ってしまったり、わざわざ時間をかけて遠いお店に出かける・・・そんな経験をしたことはありませんか?

このようにポイントカードに振りまわされてしまうと、「お金を増やす」ためにベストな行動を選択できなくなる場合があります。そのリスクを知っているので、銀行員はポイントカードを持たないのです。
あなたも、今持っているポイントカードを「全部捨てる」前提で整理をしてみましょう。

銀行員のお金の増やし方〜ポイントカードを整理しよう
・「生活の中で、必要なものを購入する際にくり返し使うお店のポイントカード」を残し、それ以外のポイントカードはすべて捨てる
・今後、お店のレジでポイントカードを勧められても、新たに作らない

お金を増やしたいならクレジットカードは1枚しかいらない

お金の増やし方の基本はクレジットカードは1枚しかいらないあなたは銀行で、クレジットカードへの入会を勧められたことはありませんか。お客様がクレジットカードを作ると、銀行はクレジットカード会社から「紹介料」がもらえます。だからお勧めするのです。けして、あなたのためを想ってのことではありません。

じつは銀行員は、自分自身ではクレジットカードをつくりたがりません。クレジットカードには「3つの罠」があることを知っているからです。

 

クレジットカードの3つの罠

1.「自分がいくら使ったのかわからなくなる」罠
クレジットカードで買い物をしたら、翌月の請求額が思っていた以上に大きくてびっくりした経験はありませんか?カードで支払いをしても財布のお金は減りません。それでついつい買いすぎてしまったり、いくら買い物をしたかわからなくなってしまいがちです。

2.「自分の行動や嗜好が盗み取られてしまう」罠
カードを使うたびに、あなたの消費行動のデータはカード会社に蓄積されます。いつ、どこで、何をいくら買ったのか?あなたはどんな商品を好むのか?を知ったカード会社は、その情報をもとにして、あなたにダイレクトメールを送ることができます。

よく外食をする人には、新規オープンのレストランのお知らせを。ワインを買った人には、ボジョレー・ヌーヴォーの予約のご案内を。というぐあいに、魅力的なイレクトメールをじゃんじゃん送ることができるのです。

あなたの嗜好に合わせたダイレクトメールですから、それを見るとつい欲しくなり、衝動買いしやすくなります。これをくり返していると、なかなかお金は増えていきません。

3.「とりあえずキャッシング」の罠
クレジットカードによるキャッシングは、最近では銀行のATMやコンビニエンスストアでも行えます。いつでも手軽にお金が借りられますが、その金利はいわゆる「サラ金」と同じくらいの高金利なのです。
いちど高金利なキャッシングで借りてしまうと、毎月きちんと返済しているのに、金利分が減るだけで元本の返済が進まず、永遠にお金を返し続けてしまう人も少なくありません。

 

お金を増やしたいならクレジットカードは1枚だけにしよう

クレジットカードは、使い方次第ではとても便利なものです。が、何種類も持つ必要はありません。あなたも次の手順にそってクレジットカードを整理してみてください。

銀行員のお金の増やし方〜クレジットカードを整理しよう
よく使う1枚だけを残して、ほかのカードは解約しましょう。1枚に集約させると、ポイントを集中させたり、使った金額の管理を1枚の明細書でできるメリットがあります。
お店やデパートごとの割引などもあり、それぞれにカードを使わないともったいないと思う人もいるかもしれません。しかし、カードを複数枚持つリスクは、それ以上に大きいものなのです。

 

お金を増やしたいなら3つの財布を使い分けるべし

お金の増やし方の基本は3つの財布を使い分ける銀行員がやっている「お金を増やすための財布の使い方」があります。それは「3つの財布」を使い分けることです。

銀行員流・お金を増やす3つの財布の使い方

3つの財布の使い分けかたの手順は、次のようになります。

銀行員流・お金を増やす3つの財布の使い方
「お札を入れる財布」「小銭を入れる財布」「領収書を入れる財布」にわけてお金を管理します。
1.お札用と小銭用の財布を、それぞれ1つずつ用意する。
2.領収書を入れる財布を用意する。この財布にはレシートや領収書を保管しますので、財布ではなく小さなクリアファイルでも良い。

3.これら「3つの財布」を常にかばんに入れて持ち歩く。

4.買い物をした時にはかならず
「今お札を何枚使ったか(残りは何枚か)?」「小銭をいくら使ったか(残りはいくらあるか)?」を確認する。同時に必ずレシートをもらい「領収書を入れる財布」にしまう。

5.レシートは、その日のうちに内容を確認して手帳などに使った金額を記録する。記録が済んだレシートは処分する。

この3つの財布を使いわけをおこなうと、毎朝、
「いくら入っているか正確にわかっているお札入れ」と
「いくら入っているか正確にわかっている小銭入れ」と
「空っぽの領収書入れ」を持ってスタートすることになります。

 

お金の使い方は3つしかない

財布から出ていくお金の種類は、「消費」と「浪費」、そして「投資」の3つに分かれます。

消費:生きていくために必要なものにお金を使うこと
例)食費、衣類、住宅費など
浪費:いわゆる“ムダづかい”のこと。
例)タバコ、お酒、ブランド品など
(ただし、「ビジネス上の人間関係を円滑にするためにお酒を飲みにいく」などのように目的を持ってお金を使う場合は、同じ品物でも「投資」になります)

投資:お金を支払うことにより、それ以上のリターンが期待できるお金の使いかたのこと。
例)株式投資、不動産投資、英会話を習う(自分に対する投資)など

お金を増やすためには、「浪費」をできるだけ減らして、その分を「投資」にまわしていくことがとても重要です。自分がどんなお金の使い方をしているか、その「くせ」を知れば、コントロールもできるようになります。それを助けてくれるのが「3つの財布」なのです。

 

お金を増やしたいなら毎日通帳記入すべし

お金の増やし方の基本は毎日通帳記入すると残高が増える銀行員は毎日通帳記入をします。「いくらなんでも毎日は大げさな」と驚くかもしれませんが、これもお金の使い方をコントロールするために大事なことです。たいていの銀行員は、いつでも記帳出来るように、通帳をかばんの中に入れて持ち歩いています。

銀行員には、毎日、その日に使うお金をATMでおろし、余った場合は翌日に口座に戻す、というこまめな入出金を繰り返している人がたくさんいます。こうすることで通帳が家計簿がわりになるのです。

貯金はダイエットに通じる

お金を増やすためには「記録を残す」ことがとても重要です。この記録はなるべく頻度が高い方がよいです。

あなたは「レコーディングダイエット」というダイエット法を知っているでしょうか。毎日の体重を記録するだけで体重が減っていくというダイエット法で、数年前に大ブームとなりました。

これと同じように、何か数字的な目標達成を目指す時には「記録をつける」ことがとても効果的なのです。数字によって人は励まされたり、反省したりします。そして、目標にたどりつくためのよりよい方法を発見することができるのです。

通帳記入するだけでお金が増える

毎日のお金の入出金を記録するようになると、いろいろなことがわかります。
「いつも金曜日はたくさんお金を使っているな」
「給料後の飲み会は、一回の支払額が多い」
「給料日前になると、毎月、残高が厳しいな・・・」

などのように、自分のお金の使い方のパターンが見えてきます。
どんな問題も、解決するためには「何が原因なのか?」を知る必要があります。通帳を眺めているとその原因が浮かび上がってきますので、解決方法を見つけやすくなるのです。

銀行員のお金の増やし方〜毎日通帳記入して、お金の使い方のパターンを知ろう
例)「いつも金曜日はたくさんお金を使っている」
→解決策:金曜日の朝に、財布に入れる金額を減らす、「金曜日はコンビニに寄らない」と決めるなど

第2章 銀行員のお金の増やし方〜お金を貯める編

3つの銀行口座で「自動的にお金を増やす流れ」をつくる

お金の増やし方の基本は3つの銀行口座を持で「自動的に貯まる流れ」をつくるお金の増やし方を知っている銀行員は、“ほったらかしでも自動的にお金を増やす3つの銀行口座“をつくっています。

銀行員流お金の増やし方〜“3つの銀行口座”とは

その3つの銀行口座とは、「給与振込み口座」「支出用の口座」「貯蓄用の口座」です。あなたも次の手順にそって、自動的にお金を増やす仕組みを作りましょう。

お金を増やす「3つの銀行口座」のつくりかた
1.3つの銀行口座をつくる
「会社からの給与が振り込まれる口座」「家賃などの固定費を支出する口座」「貯蓄用の口座」の3つの銀行口座を作ります。貯蓄用の口座は、給与振込み口座からお金を入金する口座です。入金手数料が安く済ませられる銀行を選びましょう。
2.毎月の給料が入ったら「その日のうちに」「一定の金額を」貯蓄用口座に移す
<ポイント1>絶対に守らないといけないのは「その日のうちに」「一定の金額を」ということです。「今月は少ないけど、その分来月を増やせばいい」という考えは捨てましょう。それは「今日食べすぎても、そのぶん明日減らせばいいから」と言ってダイエットに失敗する人と同じです。

<ポイント2>貯蓄にまわす「一定の金額」のめやすは収入の10%です。手取りの収入が20万円の人なら、2万円を貯蓄にまわします。「これだけは、毎月絶対に貯蓄する」金額ですから、状況や感情に左右されない金額であることが大切です。

<ポイント3>この移し替えはできるだけ自動的にできると良いです。勤め先の会社に「財形貯蓄」や「社内預金制度」があれば活用しましょう。会社にそのような制度がなければ、銀行で設定することもできます。

3.支出用口座に「固定費」を払うためのお金を移す
給与の10%を貯蓄すると、給与振込み口座には、その90%が残ります。手取り20万円の方なら18万円ですね。ここから次に、支出用口座に「固定費」にかかるお金を移します。固定費とは家賃や駐車場代、水道光熱費など、毎月ほぼ決まった金額が必ず発生する支出のことです。

<ポイント1>固定費は収入の40%を上限とし、これに収まるように家賃や光熱費のバランスを考えましょう。20万円の手取りの人なら、40%は8万円です。光熱費が1万円とすると、家賃は7万円以内に抑えます。

3.残りのお金でやりくりを楽しむ
ここまでで、20万円の収入が「貯蓄用口座」に2万円、「固定費支出用口座」に8万円流れていきました。給与振込口座に残っているのは10万円です。これを食費や衣服などの生活費や、趣味、遊び、自己投資などに使います。

「節約」も大切ですが、切り詰めすぎるとストレスがたまりますから、時には楽しいことに使うのも良いでしょう。また本やセミナーなどの自己投資には、優先してお金を使いたいものです。

※この10万円のうち、20%に当たる2万円位は「非常用」として取っておくことをオススメします。急病で医療費がかかるなど、予定外の出費が発生したときに慌てずにすみます。